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目次
■研究のお部屋
■研究のお部屋
 ・概要
 ・航空機レーザスキャナ(Lidar)
 ・地上レーザスキャナ(Lidar)
 ・空中写真
 ・統合化
 ・2003年の業績リスト

■概要
 私の行っている研究の目的は,森林の現存量・バイオマス・材積・・・要は,森林の体積をいかに効率よく計るかということです。その道具として,最近一般化しつつあるセンサや,過去の空中写真を使おうということです。
 2003年8月の講演で作成したスライドに一応まとまっているのでこちらに置いておきます。・・・ダウンロード

■航空機レーザスキャナ(Lidar)
 航空機レーザスキャナは,レーザを発射して対象物で反射して帰ってくるまでの時間を測定することで,対象物までの距離を測定する装置です。レーザビームは若干の広がりを持っており,地上では数十cm程度の広がりを持ちます。このため,レーザは地上に到達するまでの間に複数回反射します。森林に使用した場合,同じレーザビームでも,最初に反射したものは樹冠上部で,最後に反射したものは地上部であることが多いです。
これは,計測されたx,y,z値を三次元表示したものです。何回目に反射した点なのかどうかや,近傍の点との相互関係から,フィルタリングを行い,樹冠で反射した点(緑)と地面で反射した点(黄土色)に分離しています。
右の図は,分離した点に対して,補間処理を行ったものです。樹冠の凹凸やギャップが表現されています。地表面では,作業道などの小道も表現されています。
 この後,樹冠を抽出して樹冠幅や樹高・密度などからバイオマス量に変換することになります。詳しくはこちらを見てください・・・ダウンロード

■地上レーザスキャナ(Lidar)
 レーザスキャナを小型・可搬型にしたものを利用してバイオマスを計測します。

 上の図は,レーザスキャナで取得したデータです。色の違いで対象物までの距離を表しています。
 このデータからバイオマス計測するために,まず考えたのが胸高直径を計測し,バイオマス量への変換を行う方法です。(ダウンロード
 ただ,この方法は処理に手間がかかる上に,精度上も課題が残りました。
 次に考えたのが,ビッターリッヒ法を利用した方法です。(ダウンロード1ダウンロード2
 この方法は処理をほぼ自動化できる上,精度も思いの他よい結果となりました。

■空中写真
 上記の機材は,最近開発されたもので,今後の活用が期待できますが,過去については知ることができません。幸いなことに,日本ではおおよそ5年毎に全国で空中写真撮影が行われています。これを利用しない手はありません。
 これまでの空中写真の森林分野への利用は,人の手による判読によるものが主流でしたが,大量処理を行うことが困難でした。ところが近年,パソコン上で写真測量することができるようになってきました。また,判読に近いこともできる可能性がでてきました。これらの手法を用いてバイオマス量の推定を試みてみました(ダウンロード

■統合化(構想)
 地上レーザスキャナによる点レベルでのバイオマス計測,航空機レーザスキャナを利用した小面積レベルでのバイオマス計測,空中写真を利用した大面積・長期のバイオマス計測の間のスケール間の関連やインベントリー情報を統合して,広域のバイオマスを効率よく計測する手法の研究を行っていく予定です。

■2003年の業績リスト(筆頭著者)
・論文

米 康充,小熊宏之,山形与志樹:京都議定書に関わる吸収源計測システムの開発-航空機Lidarによるカラマツ林の樹冠計測と材積・炭素重量計測精度の検証-,日本リモートセンシング学会誌:22(5),pp.531-543,2002.
米 康充,小熊宏之,山形与志樹:京都議定書に関わる吸収源計測システムの開発−地上レーザスキャナによる点群モデルを用いた計測手法の検討−,森林計画学会誌:37(1),pp.21-30,2003.

・学会発表

米 康充,小熊宏之:地上レーザスキャナを用いた森林計測手法の検討,第114回日本林学会大会学術講演要旨集,pp.445,2003.
米 康充,小熊宏之,守田英明,金子潔:空中写真を用いた天然林特徴抽出手法の研究,日本写真測量学会平成15年度年次学術講演会発表論文集,pp.31-32,2003.
米 康充,小熊宏之:地上レーザスキャナを用いた森林計測手法の検討(II),日本写真測量学会平成15年度秋期学術講演会発表論文集,pp.157-158,2003.

・講演

米 康充:レーザプロファイラ等による森林の炭素吸収源の推定−群落レベルの森林計測−,第1回GIS/LCAワークショップ「21世紀型社会のデザインツールとしてのGIS」,pp.14-20,東京農工大学,2003.8.5

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